滋賀森林インストラクター会は、滋賀を中心に多様な森の魅力を紹介し、皆様が森に親しみ、つながりを深めていただくため、各種イベントの開催や森林環境教育の講師派遣など、森に関する様々な活動をしています。当会は、平成6年4月に設立され、現在33名の会員が、県下各地で活動を展開しています。イベントに参加したい 、森で楽しみたい、森で学びたい、森でいやされたい、森を守りたい・・・そんなときは、是非私たちに声をかけて下さい。
今月の一枚 (2026.07,08)
佐々木 建雄(第3代会長)
7、8月のこの一枚は「水辺の風景」と題して、高島市新旭・生水(しょうず)の里へのご案内です。
比良連峰が背後にそびえる高島市は、山地から来る伏流水の豊富な土地柄。
この豊富な水を利用して、高島の地場産業として発展してきたのが高島の綿織物です。
特に織物の横糸に強い撚りをかけることにより、シボと呼ばれる小さな凹凸ができた織物が高島縮み。
肌ざわりがサラッとしているため、高温多湿な日本の夏にはうってつけの素材として広く愛用されています。
この高島縮みの誕生以前から、豊富な伏流水を生活に巧みに取り入れて利用している地域があります。
「生まれてこのかた水道水は飲んだことありません。必要ないから」こう話すのは、新旭針江(はりえ)集落のある住民の声。
10〜20メートルほど地中に鉄管を打ち込むと、水脈に達し伏流水が自噴する。
水温は12〜14℃と年中通して一定なので、夏は冷たく、冬は暖かく感じる。
この湧水を、ここでは生水(しょうず)と呼んで、飲料水をはじめ、生活用水として利用します。湧き出た最初の一番きれいな水の溜り場は壷池と呼ばれ、飲料や炊事に。
壺池からオーバーフローした水は端池と呼ばれる溜り場に。
ここでは食器や野菜を洗い、さらにあふれた水は鯉の泳ぐ池や水路に流れ、最後に琵琶湖へと注ぎます。
このシステムを針江では「かばた(川端)」と呼び、究極のエコライフが今も実践されています。
便利ではあるが、ひとたび事が起きればすぐにストップする、現在の脆弱なシステムのなかで、「川端」のようなシステムを生活の中心に据える、この地域の人々の姿勢には見習うべきものがあるのではないでしょうか。
※ 制作の裏側
取材で伺った5月末、場所は集落の中心を流れる針江大川の一画に残る田舟の船着き場跡。そのたもとには、芙蓉の葉が盛大に茂っていました。
花期には早い時期でしたが、この一枚がアップされている頃は、川面を覆うくらい花も咲き、華やいでいることと思います。
そんな光景を想像しながら、作品を仕上げました。
(作品データ:水彩F4号 WIRGMAN 透明=W&N)
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